vol.7 北海道「ゴールデンカムイ」探訪 ②監獄を知る2選

①ドライブついでの3選に続いて、「ゴールデンカムイ」関連の第二弾は、2つの ”監獄” についてご紹介です。


「ゴールデンカムイ」の実写版で網走監獄襲撃編が映画化されましたが、ご存じの方もいるかと思いますが、道東にある網走市には「網走監獄」という当時の監獄をリアルに再現した観光施設があります。
今回は、数十年ぶりにここへ行ってきたことについて書いていこうと思います。
そして、もう1つ、札幌からも程近い月形町にある「月形樺戸博物館」についてもご紹介します。
(一部、別媒体で書いていたものも再編集)
網走市:「網走監獄」
実は昭和の時代から網走市にある「網走監獄」という観光施設をご存じでしょうか。

札幌市から網走市へ。
地図で見ると一目瞭然ですが、北海道横断といっても過言ではない道のり。
車でも電車でも、ざっくり5時間以上かかります。
道央から道東に行くということは、とんでもなく時間も体力も消耗するんですよね。
ちなみに、北海道はでっかいどう、なだけあり、車移動5時間くらいのライン(道東、道南、道北圏)からは、道内便の飛行機も飛んでいます。
札幌市にある丘珠空港を拠点に、道内各地とを結ぶプロペラ機が就航しています。
新千歳空港からはジェット機も就航しており、女満別空港へのジェット機利用だと、網走までトータル1時間ほどで行けてしまいます。
車移動とは天と地の差といいますか、あっという間すぎてシートベルトをはずす暇もないほどのフライトです。
ただ、飛行機はなかなかの割高。
タイムイズマネー派にはオススメですが、一般人はやはり車・バスや電車がメインの移動手段となっています。
というわけで、飛行機だとあっという間なんだけどなと思いながら、今回も有無を言わさず車で移動です。
私が子供の頃に網走監獄が出来て、人形怖っ!と思いながら施設を見学した記憶しかないまま数十年。
道東が地元でありながらも、二度目を訪れることなく現在に至っていました。
近年「ゴールデンカムイ」で注目されることとなり、久々に帰省のついでに行ってみようか、ということになりました。
訪れたのは2025年夏。
すでに駐車場が満車の時点で想定外のスタート。
すごい…知らぬ間に今や人気の観光スポットになっていたとは!と若干感動。
駐車場から入口が全く見えない、ということは結構歩くということか、と察し、急きょ車に置いてあった半分ホネが折れていびつな形状の日傘を持って(年の功で恥ずかしいという感情を封印できるようになりました)、いざスタート。
入口で入場券を買い、パンフレットを見て驚き。
昔は「五翼放射状平屋舎房」という建物くらいしかなかった(という薄い記憶)はずが、たくさんの屋外ルートがあり、ササっと見る感じではなくなっており、ちゃんとした観光地に変貌を遂げていました。




あんた、シライシだったんかーーーい!

(馬も含めて全て人形でした)

野田サトル先生のサインもありました
余談ですが、北海道の中でもここオホーツク地方は寒暖差のえげつない地域。
近年の夏の気温は40度近くになり、冬はもちろんのことマイナス20度を超えてくる過酷さ。
朝晩の寒暖差もなかなかで、先日実際にありましたが、
5月だというのに朝は1度、日中は30度、で夜はまた1桁の気温
という、ストーブとエアコンが共存するという体がおかしくなりそうな謎めく日がたびたびある、それがオホーツク地方。
話は戻ります。
網走刑務所は、日本一過酷な刑務所だったと言われているだけあり、各所にある展示物の内容でそのことはひしひしと伝わってきました。
展示物の中に、”どんなに辛くても、極寒すぎて涙も凍るため、泣くこともできない” という説明書きが。
いやそうだろう、寒いもの、道東。
昭和時代は、冬はマイナス30度の日もザラ。
朝シャンして、乾ききらぬうちに外に出たら一発で凍ってしまうし、ダイヤモンドダストなんて珍しくもなんともなく日常見かけるものでした。
そんな冬を、囚人たちはあの建物で、あの服装で。
考えただけで、まぁ涙は当然凍るわな、と納得
そんな中、とんでもなく長い道路、それも高い山を切り開き、峠道となる道路を作るという過酷な作業。
それを今自分たちが帰省の際の大動脈として普通に利用している道路なんだと思うと、後半に書いている「月形樺戸博物館」の感想とかぶってきますが、謎に囚人への感謝のような気持ちも生まれるわけで。
今回更に新しく知ることができたことは、「鎖塚(くさりづか)」のこと。
網走・北見地方の様々な場所に鎖塚なるものがあり、子供の頃から目にしてはいました。
お地蔵さんなどで祀られているとは思っていましたが、それが何なのかなど、深く考えたことはありませんでした。
月形の時も思ってはいましたが、私は歴史的な話が子供の頃からとことん興味が薄かったんだな、と反省。
この鎖塚は、道路を作る際に亡くなった囚人を祀った慰霊碑。
作業中に亡くなった囚人を足の鎖ともに道路脇に土まんじゅうにして埋葬したのだそうで、そういう場所がある各所に鎖塚があるんだとか。
そういう歴史的背景を知り、また勉強になった網走監獄観光でした。
実写版「ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編」では、ここが舞台となっているので、より楽しめるのではないかと思います。
ちなみに、今回行った日は気温30度。
エアコンのある建物は、残念ながら1〜2か所だけでした。
日傘を持っていた手の甲を虫に刺されて数日悶絶したので、観光するなら、真夏よりは春や秋がオススメかなと思いました。
ただ、身も心も凍る ”極寒” をリアルに体験したい場合は、断然冬がオススメです。

樺戸郡 月形町:「月形樺戸(かばと)博物館」
2つ目は、札幌からは車で1時間ほどの、月形町にある「月形樺戸博物館」。
北海道、月形町にある「月形樺戸博物館」。
知人に、ゴールデンカムイ好きならぜひ! と激推しされたのもあり、行ってみることにしました。
月形町は、札幌から車で1時間ほどなのですが、近いけれども、行ったことがなかった町。
そして、町に刑務所があることは知っていましたが、この博物館のことは知らなかった我ら。
情報量ほぼゼロで、到着。


樺戸集治監の誕生から廃監まで、どのようなことがあったのかがよく分かる博物館でした。
同時に、北海道の開拓に密接にかかわっていることを教えてくれる内容となっていて、道民だというのに、恥ずかしながら全然知らなかったことばかりでした。
道内を開拓した=屯田兵、開拓=開墾、というイメージで今まで生きてきていましたが、ここを見学し、囚人と開拓が非常に密接な関係性だということに驚かされました。
北海道民は、子供の頃から、屯田兵が農地を切り開いたんだよ、ということは教わるのですが、所詮その程度。
私も、大人になった今もその程度のことしか情報量はなかったんですよね。
がしかし、大人になって改めて知ることに意味があるのかもしれないですが、この樺戸集治監がなければ、各集治監の囚人がいなければ、北海道の主要道路はなかったかもしれない、ということを知ったことで、なんだか今までと180度見方が変わりました。
混乱の時代に収監された不運な人もいたかもしれないと思うと、この極寒の地で、未開の地の木を切るところから始まり、道路や水道を作り、本当に大変だったろうな、という労いの気持ちや、お礼を言いたくなる気持ちさえ湧いてきてしまう謎の心境に陥ります。
まぁ、本当の極悪人もいたわけですから、全てに同情するのもなんですが。
ただ、このような人々の尽力と犠牲によって北海道が発展していくことになったことは、決して忘れてはいけないことだと思いました。
いずれにせよ、建物もきれいで、様々な展示物、分かりやすいジオラマ、6分間のシアター、など、どれもとてもよくできており、ついつい長居をしてしまったほど。
とても勉強になる場所でした。

おいしいトマトジュースでした
まとめ
2か所の「監獄」についてご紹介しました。
展示物などの内容は、重複することも多かったのですが、どちらも北海道の歴史的背景を知ることができるスポットでした。
「ゴールデンカムイ」は、この博物館の内容もちゃんと触れている気がして、野田サトル先生の忠実な史実リサーチに改めて感服しました。
(入口には野田サトル先生のサインもあります)
北海道観光のついでに、ぜひこれら施設にも足を運んでみてはいかがでしょうか。
